ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

Hey Siri

 スマートフォンの電源が突然落ちます。電池残量が1%と表示されるところは、めったに見られません。残り一桁まで減ってしまえば覚悟できるのですが、ひどいときは13%くらいで画面が真っ暗になって、そのままこときれています。出先で乗換案内を調べているときや電話の最中に倒れられると、たいへん困ります。

 自分が持っているのと同じ欠点には目が行きがちです。仕事の途中で寝るだらしない子分に、しっかりしてくれよと落胆してしまうのは、私自身がだらしないからにほかなりません。あるときは歯ブラシをくわえたまま、また別の夜は乾いた洗濯物を膝に乗せてうとうとした無数の記憶を、ふっと暗転するディスプレイは呼び起こします。あるいは、よく使い込んだものは、持ち主にだめなところが似るのでしょうか。

 無理はしてほしくないから、疲れているなら早めに言ってねと、相手が人間なら念を押すところです。「Hey Siri, いまどんなかんじ?」というコマンドがもしあったら、きっと1日に3度は使います。「いま元気だけど8%くらいで急に眠くなるかも」とか「そんなにさわらないで」とか、ざっくばらんに答えてくれたら、ちゃんと優しくするよ。